ELVのトータルリサイクルフロー
ICタグを利用したELVの管理
- 管理体制
- 引き取りをしたELVに識別番号を記録したICタグを取り付け、コンピューターにELVの情報を登録します。
解体工程においてはハンディターミナルを使用して解体情報をICタグに記録し、自動車リサイクルシステムの移動報告や解体日報、その他の管理業務へ利用します。 - 解体計画
- コンピュータに登録した車両情報を基に、回収部品の決定など、解体計画の策定をサポートします。
- 移動報告
- ICタグを利用することで、解体を終えたELVの把握をコンピューターで入力することなく実行できます。
また、解体日報や解体車両一覧の作成を容易に行うことができ、これらを利用することで自動車リサイクルシステムの移動報告で、担当者の作業時間を軽減できます。
リサイクルパーツの回収と販売
使用済自動車といっても自動車としての役目は終わってはいますが、その中には再使用可能な部品が含まれているものが多くあります。
これらの再使用可能な部品は解体前に回収し、動作確認や洗浄、美化などを行った後に、リサイクルパーツとして販売するため、全国部品販売ネットワークへ登録し保管します。
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再使用可能な部品の回収
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部品の修復と美化
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再生バッテリーの生産
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大型倉庫での保管
リサイクルパーツは「ヤフーオークション」でもオンライン販売しております。
タイヤ・ホイールをはじめ、内・外装パーツ、電装パーツ、吸排気パーツ、足回りパーツ、駆動系パーツ、大型車用パーツなど、良質なリサイクルパーツを多数取り扱っております。
ELVの解体
ELVは、タイヤ、ボンネット、バンパー、工具類の取り外しとエアバッグ、フロン類の回収など、事前処理を行った後、解体機によって解体します。
解体機を使用することで、ハーネスや電気機器、モーターなど手作業による解体では効率の悪い部品も、迅速かつ精緻に回収することができます。
事前処理(フロンの回収)
解体機による精緻な解体
解体済自動車の破砕処理とASRの資源化
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シュレッダープラントでの破砕処理
解体後の車体はシュレッダープラントで、破砕・選別し、鉄と銅、アルミニウム、ステンレスなどの非鉄金属、ハーネスなどの資源を回収します。
回収した鉄は電炉製鋼メーカーへ、非鉄金属は非鉄金属メーカーへそれぞれ販売します。シュレッダープラントの処理についてはこちらもご覧ください。
シュレッダープラントでの破砕
回収した鉄
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ASRの資源化
シュレッダープラントで資源を回収した後に残った残さは「ASR(自動車シュレッダーダスト)」と呼ばれ、ASR資源化工場でさらに細かく破砕・選別し、非鉄金属やプラスチックなどの有価物を回収します。
ASR資源化工場は自動車リサイクル法の中で自動車メーカーなどからの認定を受けております。
ASR
ASR資源化工場
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RPFの製造
RPFとは「Refuse Paper & Plastic Fuel」の略で、プラスチック、紙くず、及び木くずを原料とした固形燃料のことです。
ASRに含まれるプラスチックなど、埋め立て処分されていた廃棄物を原料にすることで、埋立量の削減、化石燃料使用量の削減などが期待できます。RPF工場
RPF
廃タイヤのリサイクル
回収したタイヤの中で、中古タイヤとして販売できない廃タイヤは、タイヤ資源化工場で資源化します。
タイヤ資源化工場では、事前処理としてタイヤとホイールの分離と、ビードワイヤー(タイヤのリム部分に使用されている鋼線)の取り除きを行います。
事前処理が終わったタイヤは破砕・選別施設で50mm以下まで破砕し、タイヤ内に含まれるスチールワイヤーを除去した後、タイヤチップとして製品化します。
タイヤは原料の約60%が石油からできており、燃焼した際には軽油や重油などの石油製品とほぼ同等の熱量を発生させることができるため、石炭など化石燃料の代替燃料として製紙会社などに販売し、ボイラー燃料としてサーマルリサイクルされております。
廃タイヤの処理フロー
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1
事前処理をし、破砕・選別施設へ投入
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2
50mm以下まで破砕
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3
磁気選別機によるスチールワイヤーの除去
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4
製品化(タイヤチップ)
回収部品のリサイクル
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プラスチック製部品
PP製の内装部品やバンパーは、鉄ビスやモール、ランプ類などを取り除いた後、破砕機で破砕、磁気選別機・湿式選別機で異物の除去を行いフレーク化します。フレーク化したものは、さらにペレット製造機でペレット化し、プラスチック原料として販売します。
エアバッグ(66ナイロン)、シートベルト(PET・PA)、ヘッドライト(PC)、テールランプ(PMMA)、ドアバイザー(PMMA)などのプラスチック部品は回収後、プラスチックの種類ごとプラスチック原料として販売します。ペレット製造機
ペレット
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ガラス
サイドガラスやリアガラスは破砕し回収しますが、フロントガラスは合わせガラスになっており、ガラスとガラスの間には中間膜という透明なフィルムが挟まれているため、破砕機で破砕した後、分離機でガラスと中間膜を分離し回収します。
回収したガラスはグラスウール(断熱材)の原料として販売するほか、アップサイクル製品の原料として使用しています。アップサイクル製品についてはこちらもご覧ください。
中間膜
回収したガラス
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回収したハーネス
銅ナゲット
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電子機器・触媒
電子機器や触媒は貴金属・レアメタルを使用した製品の原料として利用します。
回収した電子機器
回収した触媒
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燃料
ELVの解体時に回収した燃料は、品質確認を行い自家消費、またはリサイクルガソリンとして利用しています。
揮発油販売者登録済 登録番号:1-02078号
第5ELV解体工場 給油所
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エアバッグインフレーター
解体業者が取り外し、回収をしたエアバッグ類のインフレータ(ガス発生器)をリサイクルする再資源化処理施設です。
処理方法:電気作動方式回収したエアバッグインフレーター
インフレーター処理機
海外向けELVの解体
海外向けELVの解体工場である第2ELV解体工場では、フロン類の回収、エアバッグの回収、液抜きなどの事前処理を行った後、海外向けリサイクルパーツの回収を行います。
回収したリサイクルパーツは、コンテナに積み込み海外へ販売します。
大型ELVの解体
大型自動車の解体工場である第3ELV解体工場では、トラックやバスなどの大型車を普通車と同様にフロン類の回収、エアバッグの回収、液抜きなどの事前処理を行った後、リサイクルパーツの回収と車両の解体を行います。
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