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リサイクルアート展2019:受賞作品(審査員特別賞)

2019 受賞作品(審査員特別賞)

審査員特別賞

記憶の肖像(キオクノショウゾウ)/ 西舘 朋央(一般の部)

主な使用素材
茶箱(木材、トタン、和紙)
作品コンセプト
記憶の痕跡が残った実物の素材を解体して、そのもののポートレイト絵画として作り直す。
アピールポイント
45年くらい前、北海道出身の父親は、就職が決まり、茶箱二つ分の荷物で上京してきたそうだ。これは、そのときの茶箱であり、以来、ずっと家で物入れとして使われていた。母親がボロボロになったので処分しようと持ち出してきたのをきっかけに、その思い出を初めて聞き、ポートレイトとして残すことを思いついた。昨年、父親の七回忌だった。思い出が残るこの茶箱を作品にして家に残す、もしかしたらこれも一つの自分なりの供養のやり方なのかもしれないと思った。

溶ける(トケル)/ 談 文(一般の部)

主な使用素材
鈴蘭テープ、針金、梱包用テープ、発泡スチロール
作品コンセプト
この作品のコンセプトは、溶けている白グマです。
地球温暖化の影響で今、白グマは厳しい環境に置かれています。この様なリアルな、そして具体的なテーマを選んだ理由は、環境保護のメッセージを多くの人に伝えたいからです。私の作品を通して、多くの人に地球温暖化を含む環境問題について考えて欲しいと願ったからです。
私達は、普段から使用している工業製品から排出されるゴミで生命を傷つけています。しかし、そのゴミを使って新しい生命のカタチをつくることもできます。また、人間は自然と生き物達の保護や共存することもできます。
私は、自然や生き物達との共存を選ぶことこそが本当の意味での環境保護と考えます。
捨てられたモノは、他の人にとっての宝物にも成り得ます。したがって、全てのいらないものは、その正しい位置にたまたま居ないだけなのです。
リサイクルのことを多くの人に知ってもらい、その活動が今よりも広がる助けになる様に、私はこの作品をつくりました。
アピールポイント
この作品の素材は、私のアルバイト先と学校の文化祭で使用した鈴蘭テ ープを元に制作しました。
この素材で白グマの毛並みを表現すると共に、透明感も表現しています。この透明感は、氷の溶けている様子を、すなわち白グマが徐々に溶けている様子を表しています。
この作品は、鑑賞者に触ってもらうことを前提として制作しました。この白グマは幻の様にも見えますが、フワリとしたテープの素材感は、鑑賞者が触れた時に過去に触れた生き物を想い起こさせ、心にある柔らかい記憶を呼び覚まします。
このように鑑賞者は作品に触れることで白グマが遠い世界の生き物ではないと感じられるのです。さらに、作品に触れる人が増えると純白の白グマは汚れていきます。鑑賞者の行動そのものが作品の一部になると共に、私達の行動が必ず結果に繋がることを意味します。
自然を守ることは、私達自身を守ることになると考えて欲しいです。

トレーの色々(トレーノイロイロ)/ 竹中 恭子(一般の部)

主な使用素材
食品トレー、リボン芯
作品コンセプト
日々スーパーでの買物につきもののトレーはかなり溜まります。
それを使って作品を作れないかと考えました。
アピールポイント
中には上げ底にするための模様があり、それを活かした作品を試みました。熱にとける性質も利用して表面加工してみました。

主張(シュチョウ)/ 足し算(一般の部)

主な使用素材
自転車のチューブ、タイヤ
作品コンセプト
雨の中、砂の上、暑くてかたいアスファルト、いつどこでも走る自転車。その自転車は人の力で進む。力をペダルに加えたらタイヤが回る。タイヤはチューブに支えられ、チューブはタイヤに守られる。どちらもゴムでできているため時間の経過や異物を踏むことでダメになってしまう。タイヤやチューブはリサイクルされることもなく廃棄されていく。今まで必死に自転車を前に進めてきたタイヤやチューブは未来を見れず廃棄される。そんな彼らは大きな希望を抱き大きな翼となった。しかし彼らは飛ぶことは決してできない。ただ、ここに我々はいるんだと、その大きな翼を大きく広げ、私たちにその存在を訴えている。
アピールポイント
リサイクルアートと聞いてまず浮かぶ素材はペットボトルや空き缶、瓶などごく身近な素材だ。
でもこれらの素材はリサイクルとして多くの人に知られている。なので今回私たちはあまり注目されていない素材に注目した。それは自転車のチューブとタイヤだ。
自転車を乗ったことがない人はごくわずかであり、私たちの生活には欠かせない乗り物である。自転車は様々なパーツによって成り立っているが、地面に接する部分であるタイヤやその真にあるチューブはもっとも消耗が激しい。皆さんもパンクした経験はあるだろう。老化したタイヤやチューブはお店で引き取ってくれるがリサイクルをするのは難しい。数多く廃棄されるチューブ達、ここにはリサイクルの可能性があるのではないかという考えに至った。そしてこの現状を多くの人に知ってもらおうと思い、この作品を製作した。