- リサイクルアート展2019:受賞作品(高校生の部)

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リサイクルアート展2019:受賞作品(高校生の部)

2019 受賞作品(高校生の部)

グランプリ

新しい自分へ(アタラシイジブンヘ)/ 大久保 智詞

主な使用素材
広告、ダンボール、空き缶、ペン、厚紙、電池
作品コンセプト
リサイクルということで生まれ変わる、変わるというところを古い自分から新しい自分へ変わる……
中学生から高校生に変わるというところを照らし合わせて作りました。
古い自分をダンボール、新しい自分を広告と大きく分け、ダンボールから広告に移り変わっていく様子を表現しました。
アピールポイント
右腕が取れ広告が吸い付いていく様子を生き生きと表現し、左腕では支えを作ったりせず作品として自立させました。
そして、生き物らしさを出すため背骨を作りました。
審査員 講評
ダンボールとチラシなどを用いて中学生から高校生へ変貌する自分の像を、リサイクルに重ね合わせて制作したとのこと。
古いダンボールの自分の体が、チラシである新しい自分の部分へと変わっていく様子が象徴的に表現されており、雑然とした中に生命を感じさせる細かい筒状のものが、生きている造形と言えます。
整っていない形にかえって躍動する生命感のようなものがみなぎっている点が評価できます。

優秀賞

アンブレラ シンデレラ クジャブレラ / 札幌稲雲高等学校 美術部(19名)

主な使用素材
新聞紙、筆、傘、ペットボトル、ペットボトルキャップ、古着、針金、過去の立体作品の土台
作品コンセプト
ちょっと待って…息が止まっちゃったでしょ?
そう。あなたが目の前にしているのは普通のクジャクではない。リサイクルクジャク。
学校内に忘れられた傘…。使い古した筆やハケ…。部屋に放置されたかつて先輩たちがつくった立体作品に使われたであろう台座…。ペットボトルや古い洋服たち…。1つ1つは一度は大切にされ、脚光をあびた物たちが色あせていく。それらにもう一度光を浴びてもらおう!ではどうやって…。
その物たちの姿と、誰もが一度は美しいと思ったことがあるであろうクジャクの優雅さを重ねると、これしかないなと思いました。
アピールポイント
傘が開いているときの形を活かし、それを骨組みにしました。
羽は洋服の模様、色の響き合いを見ながら組み立てました。
胴体部分は布とは質感の違うペットボトルを使い、作品全体が単一にならないようにしました。
土台部分は、捨てられそうになっていたものからクジャクになるまでの過程を表現するために、後方はそのままの物を置き、前方は作品に使われる形になっていくという流れをイメージしました。
審査員 講評
捨てられた傘や洋服、ペットボトルなどの素材を用いて、それらにもう一度光を当てた造形作品を作ろうと多くの友達が協力して制作した点がよいと思います。
きっと、傘を中心に様々な形の変化を工夫したり、色彩の統一感を出したり、また全体の構成のバランスをとるなど、いろいろな意見や思いが交わされて、この作品が完成したと想像します。
学び合う仲間が本リサイクルアート展に向けて「リサイクルとは何か、造形美とは何か、そしてこれからどう生きるか」などまで話し合った結果の造形作品として評価したいと思います。

輪廻転生(リンネテンショウ)/ 表 はるか

主な使用素材
金属部品、プラスチック部品、銅線、豆電球、ゴム、マスキングテープ、絵具
作品コンセプト
輪廻転生とは、仏教などで、人が何度も生死を繰り返しながら生まれ変わることで、全ての生命は死ぬと別の人間や生き物に生まれ変わるという思想です。
釈迦は六道輪廻にいる以上は苦しみから逃れられず、これを超越した浄土という場所が極楽世界だと考えました。だから人はこの輪廻からの解脱を目指すのですが、一方、自然に作られたものや、人に作られたものはこの輪廻のようなうずから外れることはあれど、抜け出せることはないといってもいいでしょう。
ものはやがて使われなくなるし、朽ち果てます。ですから、私たち人はこのうずをうまく回していく義務があると思っています。
近年リサイクル技術が発達し、リサイクルに対する意識も高まってきていますが、まだまだ十分にごみを減らせていないのではないか、と考えています。特に日本は他の先進国より遅れているので、リサイクルに対する意識の向上、システムを作成、整備していくべきでしよう。
そのためにも、私たち一人ひとりが意識を持ち、積極的に行動していくことが、私たちが輪廻という車輪を回していくことが大切だという思いを込めて製作しました。
アピールポイント
ハッとさせられるような、はっきりした色使いと、混沌を感じさせるようなデザインを施したところはとてもこだわりました。
繊細にするところと、大胆にするところのバランスには悩まされました。
審査員 講評
人間のために作られたものも、やがて使われなくなり朽ち果てるが、そのまま終わらせないでリサイクルすることを、仏教の輪廻転生の思想に重ね合わせ、作品を制作したとのこと。赤、黄、黒などの色彩の細かいコードを重ね、全体を円形にし、土台や中心の形、色に変化を持たせるなど、造形的にリサイクルのシステムを構築していこうというメッセージが感じられるところを評価します。

生活範囲(セイカツハンイ)/ 佐々木 菜那

主な使用素材
アルミ缶、プルタブ、コルクボード、豆電球、針金、スプレー(黒)
作品コンセプト
この作品は魚をモチーフに生活範囲が変わったり減ったりしてしまっている自然の生き物たちを表現しました。
アピールポイント
魚の自由な体の動きを表現するため、プルタブでひとつずつ繋ぎ合わせました。
また、小さな電球を付け、魚、自然の生き物たちの命として表現しました。
審査員 講評
捨てられているプルタブを一つずつつなぎ合わせ、生き生きとした魚を表現したとのこと。
単純化した魚の姿や生命を感じさせる小さな電球など、無機質な物体に再び光を当て、アート作品として生き返らせている点が評価できます。