マテック

リサイクルアート展2019:受賞作品(一般の部)

2019 受賞作品(一般の部)

グランプリ

ジンベイザメの塔 ※緊急時は寝袋にもなります。(ジンベイザメノトウ キンキュウジハネブクロニモナリマス)/ 宮田 大吾

主な使用素材
ダンボール、米袋
作品コンセプト
クッション材のダンボールを使用して個性的なインパクトのあるジンベイザメを製作しました。
アピールポイント
特徴のあるダンボールでできており鉄製のような迫力がありつつ紙の優しさがあります。
しかも軽量です。
中はお米の紙袋を使用しており緊急時には寝袋にもなります。
審査員 講評
使い終えたクッション材のダンボールを見て、大きなジンベイザメを作ろうとしたその発想と、内部は米袋で緊急時は寝袋にも使えるようにして完成させた作品というところは見事だと感じました。
形はシンプルながら肌は鮫のザラザラ感を出し、色も単色で重みもあり、捨てられるものでもこのような生き生きとした造形物を作ることができるということを訴えているという評価です。

準グランプリ

HISTORY OF SKATEBOARDING(ヒストリー オブ スケートボーディング)
/ 武内 信親

主な使用素材
スケートボード
作品コンセプト
スケートボードの歴史を紡ぐ。
キャンバスはスケートボード。
画材はスケートボードの破片。
国籍問わず解釈できるように歴史を視覚的に表現。
スケートボードの破片にはスケートボーダーの歴史が詰まっている。
つまり歴史の1ピース。
表現の上でこれ以上適した素材はない。
アピールポイント
スケートボードの歴史が始まって約70年。元々は陸上でサーフィンの練習をするための道具でした。
今では2020年東京オリンピック正式種目に選ばれるまでに業界として成長を遂げています。これは、ほんの10年前までは考えられなかった出来事です。
また、トリック(技)も驚くべき進化を遂げています。多くのプロたちが「不可能」と言われたトリックを次々と成功させて歴史に名を刻んでいます。
この業界はこの先どこへ向かっていくのでしょう。私の作品がスケートボードの歴史を知るきっかけとなり、次の10年そしてその先の未来を考えることに繋がればと思います。
審査員 講評
元々は陸上でサーフィンの練習をするための道具だったというスケートボードの板をキャンバスに、細かい破片を画材として、立体的な抽象絵画のような雰囲気をもった造形作品としたことを評価したいと思います。
全体と部分の変化ある構成と微妙な変化とバランス、リズムをもった色彩など不思議な魅力をもった作品となっています。

優秀賞

亀のいる海(カメノイルウミ)/ 山田 克己

主な使用素材
縦型ブラインドの布
作品コンセプト
ビニールで満腹の痩せた魚が波間に漂い、鼻にストローが刺さった亀が見つかるなど、プラスチック製品が大量に投棄されています。
小魚の腹からマイクロプラスチックが見つかるなど、目に見えない汚染も静かに進んでいます。
フォーク、スプーン、ストローなどの使い捨てプラスチック製品を使わないようにしましょう。
プラスチック製品を適正に処理して、安全な海や川を取り戻しましょう。
アピールポイント
日差しと風にさらされたブラインドを使い、波間に潜む亀を表現しました。
日焼けして部分的に退色したグラデーションを生かし、縦型ブラインドの布を斜めに織り込むことにより、波のイメージを形作りました。
貴重な美しい海を雫形で表し、その波間に見え隠れする亀の泳ぐ姿を、布の退色ボカシと陰影で表現しました。
審査員 講評
ビニールでおなかを膨らませた魚や鼻にストローの刺さった亀など、プラスチックによる汚染が進んでいることに危機感を感じ、安全な海や川を取り戻したいという願いを作品に託したとのこと。
使われなくなったブラインドの布の形から幾何学的なシンプルな造形作品になっており、モノクロームの色彩の中に同系色の亀を密かに泳がせるなど、清らかな海をイメージさせていることを評価します。

生命の律動(イノチノリツドウ)/ 梅崎 伸子

主な使用素材
チラシ、はぎれ(古布、着古したTシャツ等) タコ糸(適宜アクリル絵の具で彩色)、あまった刺糸、古いビニールコーティングの針金の残り、詰め替え用インスタントコーヒーの袋の内側(プラスチック製)→銀色、お菓子袋のビニールタイ(バンド)→金色、ビーフジャーキーの袋(プラスチック製)シリアルフレークを入れるプラスチック製袋
作品コンセプト
毎日、私の家には新聞と一緒に様々なチラシが配達されます。このカラフルなチラシを使用して作品を制作しようと思いました。
主に艶のあるチラシを筒状に丸め、さらにそれを捻じって、全体の構成、バランス、動き、繰り返しのリズム、色彩のハーモニーなどを考えながら、他の素材も組み合わせ、必要に応じてアクリル絵の具で彩色もしました。
適宜渦巻きを作ってそれらが合流して生命のリズムとエネルギーが生じるような動きをイメージして創りました。
それぞれの素材がお互いを生かし合い、活性化されて根源的な生命の躍動、リズムが宿るようにという願いを込めました。
アピールポイント
様々なチラシを捻じることによって微妙な色が混じり合い、意図しない色彩が生じ、それに繰り返しのリズムや動きを与えることによって素材が生き生きとお互いを生かしつつ活性化するように全体を作成していきました。
木工用ボンドで接着、固定し、またチラシ等の素材を防護するために表面にボンドの被膜を作り、適度の艶も出しました。特に全体の色彩や構成には注意を払い、根源的な生命の躍動とリズム感が生じるように制作しました。
審査員 講評
捨てられるチラシやはぎれなどを素材に、色彩はもちろん形も変化やバランスをもった躍動感ある立体的な絵画に仕上げられています。
特にチラシをチラシと感じさせない、つまり素材そのものを完全に変化させ、別の生命体のような造形作品になっており、見る人に不思議な力を与えてくれる「リサイクル作品」となっているところが評価できます。

紡ぐ(ツムグ)/ 速見 淳毅

主な使用素材
新聞紙
作品コンセプト
木でできた紙から木が育つ、というテーマで制作しました。「木」から「紙」へ、そして「紙」から「木」へ、アートへ形を変えながらもこの循環を紡いでいきたい。
アピールポイント
一層ずつデザインを変えながら新聞紙を切り抜き、それを約2000枚積み重ねることで平面である紙を立体的な作品として表現しました。
木の幹、枝、そして葉の色も含め、すべて読み終わった新聞紙によってできています。
審査員 講評
平面である約2,000枚の新聞紙を積層にし、立体的な作品にしたとのこと、また、木からできた紙、そして紙からできた木の造形という循環の紡ぎを大事にしていきたいというメッセージが伝わってくる作品となっています。
シンプルでやや小さいながらも密度が濃く、木の幹など積層されている重量感も感じ、時間、空間の重みや広さも感じるユニークな立体造形となっています。

Blue sea Blue sheet(ブルーシー ブルーシート)/ 大友 康子

主な使用素材
プラスチック製品ひも、ブルーシート、風呂のマット、ぬいぐるみの中に入っていたペレット、ネット(野菜や果物が入っていた)、ティッシュの外袋、ペットボトルの外回りのプラスチック製品、習字の練習に使用した紙
作品コンセプト
メディアで取り上げられている「プラスチックごみによる地球規模の環境汚染の深刻化」。食物連鎖で人間にも及ぶようになってきているという事態。この問題に多くの人々が関心を持ってそして次なる一歩へ。
そんな事を考え、先ずは自分の一歩と制作しました。
アピールポイント
今回このような機会を得まして自分の身の回りにこんなにもプラスチック製品があるのかと現実をしかと認識し、取り組み、闘志が涌き制作しました。
今後積極的にプラスチック製品を素材にした”新しい分野”の意欲的な作品が生まれるのではないかと、自分自身への期待を予感する嬉しいチャレンジ作品群です。
審査員 講評
海をはじめ地球規模の環境汚染の深刻化が連日のように取り上げられている「プラスチックゴミ」、それが食物連鎖で人間にも及ぶようになっているという現状を啓発する意味を込めて制作したした作品とのこと。
生活の回りに使われていたプラスチック製品を美的な造形作品へと生まれ変わらせていると感じます。
一作品ずつリズムやハーモニー、バランスなどを考えた変化ある構成と色彩の絶妙な統一感や動きなど、全体として魅力ある作品となっています。

部屋(ヘヤ)/ 戴 素貞

主な使用素材
ペットボトル
作品コンセプト
「部屋」は人間の生活や安全を守ってくれる大切な空間です。
人間は大量のプラスチックを使い、その多くは使い捨てしてきました。
この作品はペットボトルやプラスチックゴミをリサイクルして製作しました。
プラスチックをリサイクルするということは、私たちの生活の安全を守ることにも繋がります。
アピールポイント
プラスチック資源の再利用は、地球環境を守るための大切な一歩です。
審査員 講評
生活の中で使われているプラスチック、その多くはゴミとなって捨てられていますが、それらを利用して「部屋」という造形作品としたとのこと。
ペットボトルが変貌して、生活空間として人々を守ってくれる部屋へとつながる発想がおもしろく、また、造形的にも無彩色の中にも微妙な材質感の変化、形はシンプルな中に何となく温かく安心できる丸みを帯びているなど、魅力ある立体作品となっていることを評価します。