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リサイクルアート展2018:受賞作品(高校生の部)

2018 受賞作品(高校生の部)

グランプリ

したいこと しなければならないこと / 仲舛 なずな

主な使用素材
ペットボトル、ボルト、ナット、ボールペン、ネームペン、シャーペン、絵具チューブ、筆、紙
作品コンセプト
美術を専門とする高校へ進学し高校生になって二年目、したいことが見つかり早々に進路を具体的に決めていく中、本当に進路を実現できるのか、学力の面であったり実技の面であったり日々不安と焦りを抱いています。
特に勉強で悩まされていて、美術をやるためにこの高校に入学したのに、気づけば勉強に追われる日々であまり実技に時間が取れず、頭の中にはテストの最低点数が毎度のようによみがえっています。
けれども進路実現するためには、やはり「したいこと」だけでは実現することはできません。
この立体人物は高校二年生で受験まであと一年あり、まだ完成していない未完成な自分です。「しなければならないこと」から逃げずに努力したい、というのが今回のコンセプトです。
アピールポイント
ペットボトルの接続部分を多くのボルトでつなぐことによって人形っぽくみせ、腰から胴体にかけて丸みが出るようにガスバーナーで加工しました。
また、頭を連想させる形状のペットボトルを使用し、使用素材のペットボトルを強調しました。
頭の中にある紙は、実際の過去最悪点数の答案用紙です。
審査員 講評
美術系の高等学校で学ぶ高校生として、実技的なことに集中したい、しかしテストなどの勉強もしなければならないという葛藤している自分を、ペットボトルなどの廃品を使って表したこと、全身の姿から悩んでいる人の雰囲気が造形として表現されていることが評価できます。
頭の部分は答案用紙、胴体には絵の具のチューブ、腕には鉛筆がびっしりと、いかにも実技も勉強も頑張っているという高校生の姿を感じます。
透明なペットボトルをこういう形や色、身体で表現した発想やメッセージ性を評価したいと思います。

優秀賞

クシネズミの家族(クシネズミのカゾク)/ 河本 葵

主な使用素材
プラスチックの櫛5本、木の櫛1本
作品コンセプト
家に使われていない櫛が入れられている櫛置き場があった。
櫛は形や素材など様々で、特にブラシ部分からは特徴がよく現れている。
これを生かして、ハリネズミの「ハリ」を表現できたら、個性のあるハリネズミたちをたくさん生み出すことができて面白い、と思い作品を手がけた。
「ハリ」の部分は「クシ」なので、クシネズミ。
アピールポイント
櫛に合わせたクシネズミ家族のポージングや、身体とハリの部分を着色することで、さらに個性を付け加え、生き生きとさせた。
審査員 講評
使われなくなった櫛の形や素材に発想の原点を置き、ブラシの部分を生かしてハリネズミを連想し、作品として完成させたその着眼点がよかったと思います。
また、ブラシという素材そのものを生かしつつ、造形的に小動物を組み合わせ、ユーモラスな形や清涼感のある色を効果的に活用し、愛らしいクシネズミの造形作品となっていることを評価しました。

The oldest electronic brain(ザ オールデスト エレクトロニック ブレイン)/ 小野 響一

主な使用素材
DDR4メモリ、RGBケーブル、Pentium4 CPU、その他ケーブル類、針金
作品コンセプト
機械と脳の融合
アピールポイント
古い機械のパーツからなっているので高度な脳というものに対してのギャップが有り、メカメカしいところ
審査員 講評
人工知能(AI)が急速に進展している現在、メモリやケーブルなど無機質なものを組み合わせて、いかにも脳の機能を持つ造形作品に仕上げたところが評価できます。
形も色もできる限り余計な造形を施さず、シンプルな直方体と曲面とで構成し、現代アートのような「人工物の美」を醸し出していると感じます。
人工知能はすべて数字を入力しなければ機能しないといわれています。将来このような機械に支配されない人間の感性や情的な面を強調する人間教育が重要という警告の意味もあるような気がします。

異次元からの宅配便 -リサイクルロボboxZ-
(イジゲンカラノタクハイビン リサイクルロボボックスゼット)/ 信太 秀仁

主な使用素材
リポビタンDの箱、お菓子の箱、紙管、ダンボール、緩衝材、壊れた電子部品、ボンド、余ったスプレー
作品コンセプト
突然現れた箱型リサイクルロボ、左右にゆっくり揺れながら、大きな口を開いた人間が生み出した様々な使い終わったもの、不用品、廃棄物をベルトコンベヤーの舌で飲み込み、そのリサイクルボックスで消化し次世代の子供達に役に立つエネルギーに変えていくのだ。
アピールポイント
あるリサイクルの収集日の朝、僕はダンボール箱を平らにつぶそうとしていた。リポビタンDの空き箱が目に入った。ロゴや、文字の配列、色使い、バランスすべてが素晴らしいと感じた。これはアートだ! その下にあった緩衝材もアートだ! そんな風に見えてしまった瞬間、とても作りたくなった。
審査員 講評
捨てようとした空き箱のデザインから、とっさにロゴの形や色彩、バランスなど美しさを感じ取り、リサイクルロボを作ろうとした美への気付きや発想は貴重なものだといえます。
人間が生み出した様々な使い終わったもの、不用品、廃棄物をこのロボットの舌で飲み込み、それを次世代の子供たちに役立つエネルギーに変えていくという未来への希望、光を見出す造形作品となっていることが評価できます。
形は細かい部分を丁寧に、色はあくまでもシンプルにという造形感覚もよいと思います。