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リサイクルアート展2017:受賞作品(一般の部)

2017 受賞作品(一般の部)

グランプリ

風の機音(カゼノハタオト)/ 大熊 紹詮

主な使用素材
古布、レースカーテン(部分)、葉脈
作品コンセプト
リサイクルの材料でいかに美しい移り行く四季を織り込む事ができるかの挑戦です。
アピールポイント
古布は古布の姿を消し、レースのカーテンはパーツ事に切り離し優しさと可愛さを取り戻し、ホオズキは葉脈に姿を変えました。五層から仕上がる第一層は1cm×1cmの布を約2万枚貼り付け季節の移り行く様をイメージしました。上部2層から5層は袋縫いの2色の布、レース、葉脈を各層とも2.8cmの等間隔に張り巡らされたワイヤーに貼り付けました。
奥行ができた作品は、体・視線の移動(上下・左右・斜め)により景色が変化します。ご高覧いただける方々に自然が生み出す四季を感じとっていただけるよう製作しました。
審査員 講評
形や色のリズミカルな変化は美しく、深みのある造形作品となっております。奥行きもあり、見る人の角度により景色が変化し、自然が生み出す四季をイメージしたという作者の意図が成功していると思います。現実の世界というより別の次元、つまり異次元の世界に誘いこまれる、そんな宇宙を感じさせてくれるスケールの大きな作品だと感じました。

準グランプリ

ソーシャルネットワーク / 高本 夏実

主な使用素材
CD(廃棄物)、鉄板
作品コンセプト
デジタル情報記憶メディアの代表格であるコンパクトディスク(CD)を用いて、紙飛行機を模した巨大なオブジェを作った。かつての主要な情報媒体であった紙は今やデジタルに取って代わられつつある。情報の重みに耐えかねて地に落ちた飛行機は、めまぐるしく変化する時代に生きる我々が向き合わねばならない社会問題へのメタファーであり、警鐘である。
アピールポイント
廃棄処分されたCDおよそ1600枚から紙飛行機を模した巨大なオブジェを制作した。
1万強のパズルピースからなり、いずれもCDから一枚一枚切り出したものである。情報が複雑に、しかし整然と交差する様相をパズルとして具象的な表現に落とし込み、またそのデジタルな特質からメカニカルな見え方を模索した。ベースに鉄板を用い重厚感を出すことで”情報の重み”を物質的にも表現した。
[紙飛行機に込めた想い]
紙飛行機は総じて空を飛ぶものだ。それが横たわった姿は危機的であり、またどこか悲壮感漂う。紙飛行機はその性質上、いつかは地に落ちる運命にある。電子と紙、デジタルとアナログの対比・融合という観点からもモチーフとして最適であった。
審査員 講評
廃棄された1600枚のCDから1万枚以上のパズルピースを取り出したもので、それを鉄製の紙飛行機の造形作品として生まれ変わらせた発想はユニークであり、かつ粘り強い制作態度に敬意を表したいと思います。
整然と交差したパズルピースは鉄製の「紙飛行機」の翼において、造形美であるバランスとリズム、ハーモニーを奏でており、見る人に情報社会の変遷と新しい時代の幕開け、旅立ちを予見させる作品となっています。

優秀賞

RECYーKIRIN(リサイキリン)/ 盛一 保洋

主な使用素材
廃ガラス、半田、LED照明
作品コンセプト
50年以上前の自宅のガラス障子を、発展や幸福のシンボルのキリンライトにリサイクル。体長185cmのキリンは、懐かしいガラスのパターンを最新のLEDで柔らかく発光させています。廃材になりかけたものでも新しい技術との融合で新たな輝きが生まれる。身近でありながら絶滅の危機に瀕している動物であるという存在の意味とを合わせ、今あるものを大切にしながら最新技術でもっと明るい未来環境は創れる。というメッセージを込めています。半世紀ぶりに蘇ったガラスと半世紀前から半減しているキリン。このオブジェを通し、お父さんやお母さんが子供と一緒に見ながらそんな様なお話しを少しでもしてもらえれば良いなと思います。照明は柔らかな電球色で行燈のような懐かしさを、先進技術のイメージをイルミネーションの点滅で表現しました。
アピールポイント
生前父が自宅建て替えの際に残した50年以上前のガラス障子の板ガラスを倉庫掃除の際に発見。戸から外して丁寧に積み上げられていました。厳しい環境で育ち、柱などの木材や釘でさえも捨てずに再利用を心掛けていた父の姿を思い出しながら制作しました。昔はどこの家にでもあった様々な模様の味わい深いガラスですが今はほとんどが生産されていません。懐かしいガラスの風合いを最新のLEDで再度輝かせます。また発展や幸運の象徴とも言われ、最も親しみのある動物の一つのキリンは近年絶滅危惧種に指定されています。モノを大切に使う。無駄な電気を抑える。自然を守る。新しくもありどこか懐かしくもある光のオブジェにそんな思いを込めています。造形手法はステンドグラス、照明は全てLED。柔らかな電球色の行燈パターンで懐かしいガラスの温かみを強調し、赤青緑の3色+青と金の2色のイルミネーションの点灯パターンは先進技術で実現する未来環境をイメージしました。3回路に分けているので組み合わせで様々な点灯表現が可能になっていますが消費電力は従来の裸電球(60w)1個のわずか1/4程度の環境配慮設計です。

自修再生ダンボール(ジシュウサイセイダンボール)/ 輿石 孝志

主な使用素材
ダンボール、竹串
作品コンセプト
何度でも再生利用されるダンボール。また、紙や再生紙を作る上でも水というものは必要不可欠なものなので、水の流動性により、自主的に修復して再生していくダンボールがこれから先できたらとおもう遊び心をイメージしたことがコンセプトになります。
アピールポイント
少しずつ変化を加えた積層に陰影や、ダンボールの断面の均等性から見えるモアレ現象により、角度や光度により表情を変える楽しさが伝わって頂ければと思っております。

クリムト(部分)(クリムト(ブブン))/ ナミキ・キヨタカ

主な使用素材
拾ったテーブルの天板、PTPシート、スパンコール、グリッターネイル
作品コンセプト
介護職に就いてまもなく、毎日破棄される大量の錠剤の包装シートに着目。当初は何に使うでもなく漠然と看護師にお願いし(微妙な反応…)溜めていたが形になったのはほんの1年前ほど。実は別の作品を公募展に出品する際にコンセプトを明記する指示があり「薬漬けの現状を憂うべく」といった内容で提出したが或る方の「薬の包装がこんなにキレイとは!」と感激され「捨てられるものに潜む美しさと儚さ」をキッチュでファンシーかつガーリーな感覚で作品化したらとの思いへと変化した。薬を飲まざる得ない殆どの人々の暗澹さをふっ飛ばすという気持ちを込めた。
アピールポイント
本来見向きもされない包装シートに光を当てながら鑑賞者が受けるそれぞれの想いを想像しながら、同時に提供してくださった多くの方々に深く感謝しながら制作した。今回の作品は偉大なるクリムトへのオマージュを込めてタイトルとした。きらびやかな面差しとよく見ると「クスリの残滓」であることのギャップ。大いに素材に助けられているのは勿論のこと、深いテーマであるとか重厚であるとか、深読みも一切込めずに単純に視覚的な愉しさを届けたいと思う。

Constructive & Destructive (建設的・破壊的)(コンストラクション&ディストラクティブ)/ 野村 ノブヒロ

主な使用素材
壊れて弾けなくなったウクレレ、アルミ缶の底、カーナビのソケット部分、寸法精度が悪くNGとなったロボット部品、自動車部品のばね、植木用のマット、トタンの固定座金、ワッシャー、アイスのキャップ、毛染め用のスポイト、端材の木材、不要となった電気コード、ソケット、電球
作品コンセプト
まずはリサイクルという視点でいろいろな面から調べてみました。建設的という思考は、破壊的という結果に結びつき、それを回転させるという流れ、しくみを作ることが、我々にとって大切であるという事を改めて想いました。それを今回の作品で表現してみようと試みました。弾けなくなったウクレレを破裂させたかのように、近未来的な建築物が飛び出すというストーリーを持たせました。
ウクレレの破裂→破壊的、近未来の建築物→建設的という意味を持たせました。
アピールポイント
制作でまず第一に注意した点は、リサイクル品というイメージを打破するため、「キレイ」とか「たのしい」ものにするという事でした。「キレイ」という点では、できる限りリサイクル品と目立たないよう、着色、加工を施し作品に溶け込むように心がけました。また、内部に電球を設置し、点灯するようにしましたので、暗くした空間で建築物が浮かび上がるようにしました。「たのしい」という点では、奇抜な素材を用いることとし、ウクレレのフォルムを活かし、精密機械の加工品のデザインを活かすように心がけました。

水のゆくえ(ミズノユクエ)/ 森田 紘章

主な使用素材
使い捨ての、ポリスチレンのパーティグラス。
作品コンセプト
雨となって降った水は、川となり、海にながれ、やがて蒸発して雲となる、そんな繰り返しをシンプルな形で表現しました。
アピールポイント
使われたら捨てられるパーティグラスを、水のイメージにあわせて、加熱し、溶かして水をイメージし、表現しました。