マテック

リサイクルアート展2015:受賞作品(一般の部)|株式会社マテック

2015 受賞作品(一般の部)

グランプリ

オリコミノハナムケ

オリコミノハナムケ

nao(ナオ)

<主な使用素材>
折込広告、新聞紙、紙ひも
<作品コンセプト>
「ゴミ」が「資源」として扱われている現代、「ゴミ」でさえも私たちに与えられた恵みのひとつであり、この世界からの「贈り物」ではないのだろうか。
しかし、「ゴミ」が永続的に「ゴミ」として在り続け、自然の循環から切り離されている時、私たちは、その「ゴミ」を歓迎すべからざる「プレゼント」として手放し続けていることにはならないだろうか。
日々生産・破棄されている「モノ」を象徴している「折込広告」を渦状に巻き、花の蕾に見立て、未来に開花する資源の可能性を表現しています。
そして、それらを花束のように大量に集積することにより、廃棄されているゴミの量を実感するとともに、ゴミが作り出すものも大切な贈り物であるということを伝えています。
社会のあり方が書かれている「新聞紙」という「茎」に支えられた「ゴミ」の花束が描く風景は、自然界の色調変化と循環をイメージしながら、夕日の色から始まるグラデーションで黄昏時の空をイメージし、未来は現在生まれている「ゴミ」さえ織り込み済みのはなむけとして受け取ってしまう不穏さを表しています。
<審査員 講評>
日常の中でほぼ毎日目にし、さして気にも留めずに新聞の脇役として捨てられていたものに光を当て、色彩の変化あるものを集積し、束ねることで造形作品として完成させている点は高く評価できます。渦巻状の形の多様さと華やかで微妙に変化する色彩に絶妙なハーモニーを感じます。

準グランプリ

RAGTAG-TIME(ラグタグタイム)

RAGTAG-TIME(ラグタグタイム)

八子 晋嗣

<主な使用素材>
木材、鉄、アルミ、ゴム
<作品コンセプト>
人は自然の中で、自然を利用して生きている。科学技術で生み出したものも、自然の摂理の中ですでに存在していた原理を発見し、利用してきた。人が生み出したと胸を張って言えるものは、自然の中で起きる偶然を待っていたのでは、とても期待できない組み合わせを見つけ応用してきたことである。そして多くの発明をし、最先端技術で多くの廃物を生み出した。
廃物は人の活動の集大成とも言える。そこには時代の知恵の最高峰が捨てられている。
人の生活は自然と技術でできている。そこで使われ、捨てられた物たちを新たな組み合わせで生き返らせる。
寄せ集められた社会のゴミ(RAGTAG)たちの新しい命の時代(TIME)
<審査員 講評>
シンプルな中にも円や四角、直線、曲線など、美的な造形要素が構成され、リズムとバランスをもって表現されています。また、内部に目をやると歯車やベルト、支柱などが秩序と変化をもって構築されており、廃材とは思えない造形作品となっています。

優秀賞

臍のある壺(へそのあるつぼ)

臍のある壺(へそのあるつぼ)

朝日 章

<主な使用素材>
ダンボール、針金
<作品コンセプト>
此岸(しがん)と彼岸(ひがん)、表と裏が反転する見えないモノのリサイクル。
四次元の強引な穴から伸びているのは、実は臍であった。
(95才の母がベッドの横に祖母が寝ていると云う。)
コンビニの幟に愛は残っているか?

コンビニの幟に愛は残っているか?
(こんびにののぼりにあいはのこっているか?)

加藤 祐子

<主な使用素材>
コンビニの幟、綿糸
<作品コンセプト>
戦国時代、自分の陣を示すために「幟」を掲げてきた。その名残か、現代でも様々なお店の前では、多くの「幟」がにぎにぎしく立っている。
この作品は、使い終わって捨てられてしまう「幟」をもらってきて、裂いて緯糸にし、40センチ角の布を24枚織り、筒状に丸めてピンで止めた。
何を告げようとしていたのか・・・・・・・読むことはできない。
しかし、私が織ることで愛が残っているのではないか。
君の住む街(きみのすむまち)

君の住む街(きみのすむまち)

平向 功一

<主な使用素材>
木材、古時計、タイプライター、自転車の車輪、ミシン、楽器、調理用具など
<作品コンセプト>
もしかしたら私たちが生きている世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界(パラレルワールド)があるかもしれない。いつもそのようなことをイメージし、これまでたくさんの日本画作品を描いてきた。50歳になった今、「これまで2次元だった自分のイメージ世界を3次元に」と考え制作したのが「君の住む街」である。
飛空挺が係留する不思議な塔、小さな街をのせた観覧車のような建物。どことなく古めかしくもあり、不思議な街をイメージして制作した。表面はすべて日本画の技法で処理をしているのが最大の特徴である。また、再生をテーマにしている本作品には街を構成する重要な部品として、時代の流れによって使われなくなった古い機械や資材、道具を使用した。廃棄されていく古い機械や道具。中を開くと職人や設計技師が丹精こめて作った美しい部品がたくさん内在している。それらを取り出し、不思議な世界を構成する重要なものとして再び命を吹き込み、作品として生まれ変わらせてあげたいと考えた。
眺めているうちに自分が建物に入り込み、並行世界へ迷い込んでいくような錯覚と日本画材の持つ独特な美しい色彩を楽しんでいただければと考え制作した作品である。
悽(せい)

(せい)

佐々木 けいし

<主な使用素材>
鉄道レール
<作品コンセプト>
リサイクル品は過去と現在、未来を強く意識させる物質である。今回素材とした鉄道のレールは、日本の高度成長期を長く支えてきたシンボル的物質である。日々の人々の足となり、物質を支えてきたレールという物質が背負っている想いは、幾層にも重なっていることであろう。今、その役目を終えて、再び鋼材としてリサイクルされるのが現代的姿ではあるが、培ってきた歴史を忘れずに記憶にとどめておきたいと思い、今作品の素材として選んだ。その象徴的な形があえて残るように再構築した作品が「悽(せい)」である。
「悽屑(せいせつ)」と書いて「交通往来のわずらわしい様子」を意味する。まさに、鉄道が線路の上をわずらわしく頻繁に行き来している姿が想像できる。一方、「悽(せい)」には「やすむ、いこう」などの意味がある。あたかも忙しかった第一線を退き、静かに余生を暮らす姿を人間にも重ね、「悽(せい)」をタイトルとして選んだ。
Sの記憶 時の漂着(えすのきおく ときのひょうちゃく)

Sの記憶 時の漂着
(えすのきおく ときのひょうちゃく)

いなずみ くみこ

<主な使用素材>
紙(新聞、広告)、プラスチック、ダンボール、スチレンボード、ペットボトル、電卓など
<作品コンセプト>
見捨てられた「モノ」たちが、その時々の思いを抱えながら漂い、この作品の流れ着きました。
日々接してきた「S」との別れ。そして、消せない思い出の数々もここに埋め込みました。
人の思いがこもった、人の記憶を宿した「モノ」たち。
その記憶を発しながら、徐々に「作品」へと美しく浄化されていく「モノ」の姿を見ていただけたらと思います。